2026/07/16
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バルブがSteam Deckのバッテリー供給を継続、iFixitが来週にも純正在庫を復活

バルブがSteam Deckのバッテリー供給を継続、iFixitが来週にも純正在庫を復活

バルブは2022年発売のSteam Deck LCD版について、交換用バッテリーの供給を継続する。修理サイトiFixit(アイフィックスイット)は来週にも在庫を復活させ、これまで通りバルブの取引先を経由した純正部品を扱う。

なぜ「Steam Deckのバッテリー打ち切り」が騒ぎになったのか

バルブが「自分で直せる携帯機」を売りにしてきたからだ。ユーザーがiFixitで純正バッテリーを買い、工具ひとつで自分で交換できる。その前提が崩れると受け取られた。

バルブは、Steamを運営する米ゲーム企業だ。2022年に発売した携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」では、公式が分解ガイドや交換部品を積極的に開放し、修理のしやすさで評価を得てきた。その象徴が、修理ガイドと交換部品で知られる米国の修理支援サイトiFixitとの提携だった。バッテリーや画面といった主要パーツを、正規ルートで一個から買える。これは携帯ゲーム機としては異例の開放度である。

だからこそ、米テクノロジー系メディアThe Vergeが報じた「バルブがLCD版の交換用バッテリーを打ち切る」という話は、ファンを動揺させた。バッテリーは、使い込むほど劣化して交換需要が高まる部品だ。多くの初期ユーザーがちょうど交換を必要とし始めるこのタイミングで、なぜ最重要の補修部品を止めるのか。疑問と不満が一気に噴き出した。

半日で覆った決定

打ち切りの噂は誤報ではなかった。だが報道が出たその日の午後、バルブとiFixitは供給継続へと動き、決定を巻き戻した。

iFixitのカイル・ウィーンズCEOは当初、バルブがオリジナルのSteam Deck LCD版向けにバッテリーと画面の交換部品を今後つくらないと「確かに聞いた」と認めていた。ところが同じ日の夕方、バルブの広報担当ケイシー・エイチソン・ボイル氏はThe Vergeにこう伝える。「iFixitは来週までにバッテリーの在庫を戻す予定だと、たった今確認した」。しかも供給されるのは「これまでと同じ、バルブの取引先を通じて調達される純正部品」だという。

ウィーンズCEO自身も、状況の急変をこう説明した。「彼らがサプライヤーを紹介してくれた。いま作業を進めている」。反発が可視化されてから解決まで、ほんの数時間。開放的な修理姿勢を掲げてきた企業が、その看板に傷がつきかけた瞬間に素早く軌道修正した格好だ。

「必ず入手法を見つける」──それでも部品を絶やさないという構え

仮にバルブが将来的に純正供給をやめても、iFixitはアフターマーケット(社外)品で代替する構えを見せている。今回の一件は、正規供給が細っても部品を絶やさない担い手が存在することを浮き彫りにした。

ウィーンズCEOは、純正ルートが途絶えた場合でも「アフターマーケットのサプライヤーを使って、たいまつを引き継ぐ準備はできている」と語る。そして、こう言い添えた。「この機械のためのバッテリーを、我々は必ずどうにかして手に入れる。それを、みんなに知っておいてほしい」。

メーカーが部品供給を絞れば、その製品はいずれ「直せないゴミ」になる。今回の騒動と、その素早い収束は、修理する権利をめぐる緊張が、看板の裏でどれだけ張り詰めているかを映していた。手元のSteam Deckがまだしばらく現役でいられるかどうかは、こうした担い手が声を上げ続けられるかにかかっているのかもしれない。