Whorl(ワール)は動く3Dグラフィックをブラウザだけで作れる新ツールで、無料体験は7日間だ。有料版は年60ドル(月5ドル)、もう一つのFlux3(フラックス・スリー)は最長20秒のAI動画を生成できる。
キャンバスで動かす、Whorlの使い方
プロンプトを打ち込むのではなく、キャンバス上で形や色、3D効果を自分の手で動かして作る。これがWhorlの基本的な使い方だ。
Whorlは、ポスターやSNS用の画像、Webサイトの装飾に使える「動く3Dグラフィック」をブラウザ上で作成できる。テンプレートから始めてもいいし、白紙から組み立ててもいい。縦横比、カラーパレット、形状、3D効果、さらに数十種類のつまみとスライダーを調整して、自分だけのビジュアルに仕上げていく。
このツールを作ったのは、創業者でデザイナーのレモン・タイセン。かつてリリースしたiOS版アプリにはなかった機能を盛り込むため、数年をかけてWeb版を開発したという。テキストを打つだけのAI画像生成とは違い、実際に画面上で要素を動かして「自分のデジタルアート」を作る感覚が、このツールの持ち味だろう。
料金は、透かし入りの7日間無料トライアルから試せる。有料プランは年60ドル(月5ドル)、高解像度の書き出しなどが付くProは年180ドルだ。順番待ちリストを飛ばしたいなら、design.whorl.appに直接アクセスし、Googleアカウントでサインインすればいい。クレジットカードは要らない。
Flux3が挑むAI動画、助言役にスコセッシ
Flux3は、テキストや画像から最長20秒の短い動画を生成できるAIモデルだ。ドイツのフライブルクとサンフランシスコを拠点にするAI研究所Black Forest Labs(ブラック・フォレスト・ラボ)が開発した。
使い方はシンプルで、テキストのプロンプトを入力するか、開始・終了フレームになる画像をアップロードする。長さは最長20秒まで、縦横比や音声の有無も選べる。子ども向けの物語の入り口に「魔法の水たまり」や恐竜を作る、といった遊びから、プレゼン素材づくりまで幅広く使えるという。
注目を集めたのは、映画監督のマーティン・スコセッシが助言役に名を連ねたことだ。「このツールがあれば、自分が思い描くものを、美術監督や撮影監督といった制作チームにもっと明確に、効率よく共有できる」と彼は語っている。一方で、米国の美術監督組合はこの推薦を批判した。生成AIが創作の現場をどう変えるのか、期待と警戒が交錯している。
「まず試す」前に知っておく注意点
Flux3を試すなら、アプリストアで「Flux」を検索してはいけない。公式アプリは存在せず、名前や説明文にFluxを紛れ込ませた模倣アプリが多いためだ。
使うときは、開発元Black Forest Labsの公式サイトか、アドビのFireflyやElevenLabs(イレブンラボ)といった正規の提携プラットフォーム経由でアクセスする。無料期間は8月中旬までで、その後の料金は完成した動画1秒あたり0.17ドルから始まる。
WhorlやFlux3以外にも選択肢は多い。静止画を手軽にアニメ化できるJitter(ジッター)、説明するだけで多数のデザインツールを呼び出せるアドビのFirefly、複数プロジェクトの「司令塔」として機能するCanvaなど、目的に応じて組み合わせられる。すでに有料版を契約しているなら、33種類のテンプレートを備えるグーグルのGemini Omniも試す価値がある。
デザインができなくても、作り手になれる
かつて「動く3Dグラフィック」や「AI動画」は、専門のソフトと技術を持つ人だけのものだった。今は、コードもデザイン経験もない書き手が、教材のスライドに動くテキストを添え、子どものために物語の一場面を生成する。ツールの敷居は、確実に下がりつつある。
Fast Companyが紹介したこれらのツールに共通するのは、「まず無料で触ってみる」入口が用意されていることだ。完璧な作品を目指す前に、手を動かして遊んでみる。その一歩から、次のスライドは変わり始めるのかもしれない。





