2014年発売のデバイスが突然キャスト不能に
今週、初代Chromecastの不具合が世界中で同時に発生した。YouTube、Chrome、Paramount+など主要アプリからのキャストが突然できなくなり、Redditには「2台同時に壊れた」という報告が相次いだ。グーグルが2023年にサポートを終了したデバイスだけに、「ついに本当の最期が来た」と受け止めるユーザーも多かった。
初代Chromecastは2014年に35ドルで発売され、その年だけで1,000万台を売り上げた。UIも広告もなく、アプリから「キャスト」ボタンを押すだけでテレビにストリーミングできるシンプルさが支持された。スマートテレビがまだ一般的でなかった時代の、手軽なテレビのネット化ソリューションだった。
「計画的廃止」への疑念とグーグルの回答
Redditのスレッドでは、「買い替えを強制するために、グーグルがデバイスを意図的に無効化したのではないか」という声が複数上がった。サポートが終了した製品が一斉に動かなくなれば、そう疑うのも無理はない。
しかし、グーグルの回答は異なるものだった。Google Homeのシニアプロダクトマネージャー、サハナ・ミソールはArs Technicaの取材に対し、「技術的な問題が一時的にキャスト機能を妨げたが、原因を特定し、すでに解決した」と説明した。具体的にどのような技術的問題だったかは明かされていない。
サポート終了済みの製品に対して原因究明と修正を行ったことは注目に値する。「壊れたら終わり」ではなく、グーグル側のサーバーやインフラに起因する問題であれば、たとえサポート外でも対応せざるを得ないという判断があったのだろう。
12年前の35ドルデバイスがまだ現役という事実
今回の騒動が浮き彫りにしたのは、初代Chromecastが発売から12年経った今もなお、日常的に使われているという事実だ。UIがないからこそソフトウェアの陳腐化に強く、ハードウェアとしての機能が生きている限り役割を果たし続ける。35ドルという価格で12年間稼働しているデバイスは、コストパフォーマンスの観点からも異例といえる。
一方、今週はグーグルが初代以外のChromecastについてもサポート範囲を縮小したとの報道もあり、現時点でセキュリティアップデートを受けられるのは2022年発売のChromecast with Google TV(HD)のみとされる。今回は復旧したが、サーバー側の変更がいつ再び古いデバイスを置き去りにするかはわからない。
それでも、シンプルであることの強さを初代Chromecastは証明し続けている。機能を絞り、余計なUIを載せなかったからこそ、サポートが切れても壊れなかった。次にストリーミングデバイスを選ぶとき、「多機能」よりも「10年使えるか」を基準にしてみるのも悪くないかもしれない。

