2026/05/30
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シスコが過去最高売上と同時に4,000人削減、「AI移行」を公言

シスコが過去最高売上と同時に4,000人削減、「AI移行」を公言

過去最高売上と4,000人削減の同日発表

シスコ・システムズは2026年度第3四半期(4月25日終了)の売上高が158億ドルに達したとFast Companyが報じた。ウォール街の予想155.6億ドルを上回り、前年同期比で12%の増収だ。調整後の1株当たり利益も1.06ドルと、予想の1.04ドルを超えた。製品売上は17%増で、AIインフラとキャンパスネットワーキングへの「旺盛な需要」が牽引したという。

だが同じ日、チャック・ロビンズCEOは全社員に向けた公開メールで約4,000人の人員削減を告げた。全従業員の5%未満に相当する。過去最高の業績と大規模なレイオフが、文字通り同じ発表の中に並んだ格好だ。

「AIのために人を減らす」と言い切る時代

かつて企業は「組織再編」「効率化」といった婉曲表現でレイオフを包むのが常だった。ロビンズCEOのアプローチは違う。「AI時代に勝つ企業は、需要と長期的な価値創出が最も大きい分野へ投資を継続的にシフトする規律を持つ企業だ」と述べ、人員削減をAI投資へのリソース再配分として位置づけた。

この率直さはシスコだけの話ではない。ブロックのジャック・ドーシーCEO、スナップのエヴァン・シュピーゲルCEOも今年、同様の姿勢を示している。「AIのために人を減らす」と公言することが、市場からの信頼を得る手段として定着しつつあるようだ。

株式市場は「歓迎」で応えた

シスコの株価は発表翌日に16%以上上昇し、すでに過去最高値圏にあった水準をさらに更新した。通期の売上見通しも628億〜630億ドルと、2025年度の567億ドルから大幅な成長を見込む。ロビンズCEOは決算説明会で、NVIDIAとの「セキュアAIファクトリー」拡大計画やAI関連売上の急増を強調した。

市場の反応は明快だ。人員を減らしてAIに振り向けるという戦略を、投資家は「合理的な判断」として受け入れた。ただし、この構図が健全かどうかは別の問いだろう。好業績下のレイオフは、従業員にとって「自分の仕事は数字に貢献していたのに切られた」という矛盾を突きつけるものでもある。

残る社員への投資が次の試金石になる

ロビンズCEOは削減と同時に、残る社員のAI活用スキルへの投資を強化すると明言した。削る側だけでなく「残す側」にどれだけ実質的なリソースを振り向けるかが、AI移行を掲げる企業の本気度を測る指標になるだろう。

158億ドルの四半期売上を叩き出した企業が、4,000人分の空白をAIと人材投資でどう埋めるか——答えは次の四半期決算で見えてくるはずだ。