2026/05/25
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7,500万年前の恐竜も子に高栄養食を与えていた、歯の化石で鳥型子育ての証拠

7,500万年前の恐竜も子に高栄養食を与えていた、歯の化石で鳥型子育ての証拠

歯の摩耗が明かす「親子の食事格差」

オハイオ州立大学の研究チームが発表した論文は、白亜紀後期(約7,500万〜8,000万年前)に北米に生息していたカモノハシ型草食恐竜「マイアサウラ」の化石化した歯を分析したものだ。モンタナ州で多数の巣の化石とともに発見されたこの恐竜は、群れで暮らす高い社会性を持っていたとされる。

歯の摩耗パターンを詳しく調べたところ、幼体には「押しつぶす」タイプの摩耗が多く、成体には硬い植物を「切り裂く」タイプの摩耗が目立った。現代の哺乳類に当てはめると、成体の歯は馬やウシのような草食動物に似ており、幼体はバクのように柔らかいものを食べる動物に近いという。親と子で、食べていたものがまるで違っていた可能性が高い。

「雛に餌を運ぶ」本能は鳥より古いのか

研究チームの解釈はこうだ。親恐竜は自分が食べる硬い植物とは別に、果実のような柔らかく高タンパクな食べ物を、巣にいる子のもとへ運んでいた。これは現代の鳥——特に巣立ちまで巣にとどまる雛を育てる種——に典型的な行動である。

筆頭著者のジョン・ハンター オハイオ州立大学准教授は「鳥が雛に餌を与えるという衝動は、非常に古い行動だ」と述べ、「その行動が鳥の起源よりもずっと前、恐竜の起源にまで遡る可能性を示す証拠だ」と説明する。もう一つの仮説として、親が食べ物を半消化して吐き戻し、子に与えていたとも考えられる。これもまた、現代の鳥に広く見られる行動だ。

こうした高栄養食が幼体の急速な成長を支えていたとみられ、マイアサウラの幼体は生後1年目に特に速いペースで大きくなっていたようだ。

7,500万年前の歯が開く、恐竜社会の新たな窓

「時代を遡るほど化石記録は乏しくなり、古生物学者は現生生物のさまざまな側面からインスピレーションを得なければなりません」とハンターは語る。「近縁の恐竜同士でさえ、まだ学ぶことはたくさんあるでしょう」

今後は胚や孵化直後の個体の歯の微細摩耗を調べることで、恐竜の子育て行動のさらなる詳細が明らかになる可能性がある。7,500万年前の歯に残された小さな摩耗痕が、いま庭先で雛に餌を運ぶ鳥の本能と、静かに繋がっているのかもしれない。