2026/05/30
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LA高級スーパーのエレウォンが年間220万円のVIP会員制度を導入、専属コンシェルジュ付き

LA高級スーパーのエレウォンが年間220万円のVIP会員制度を導入、専属コンシェルジュ付き

エレウォンの最上位「Reserve」会員は、年間1万5,000ドル(約220万円)以上の利用で自動付与される。特典には専属コンシェルジュ、スムージー優先制作、毎日無料のコーヒーとペストリーが含まれる。

ロサンゼルスの高級スーパー、エレウォンが「観光名所」になるまで

2022年にモデルのヘイリー・ビーバーとコラボした約3,200円のスムージーが全米で話題となり、ブランド認知が一気に広がった。

エレウォンは1969年にLAで創業したオーガニック自然食品店だ。2011年のオーナー交代で「超高級食品デスティネーション」へと路線を変え、約3,600円のココナッツヨーグルトや約1万1,000円の抹茶、約2,700円のラクダミルクが棚に並ぶようになった。価格そのものが話題を呼ぶ店として、LAのフードシーンで独特の地位を築いている。

ビーバーコラボ以降はシルバーレイク、ビバリーヒルズ、パサデナなどLAの各地区へ急速に出店を拡大した。インフルエンサーが集まる場所として、旅行者が「食事の行き先」に指名する存在にもなっている。Eaterの取材によれば、ある利用者は月に約37万円をエレウォンで使っているという。子どもがいない単身者で、年間の食費は約450万円だ。

エレウォンのVIP会員制度、3つの階層と特典

会員制度は3段階に分かれており、最上位のReserveでは高級ホテル並みのサービスが受けられる。

基本会員は年会費200ドル(約3万円)で、10%のキャッシュバックと月1杯の無料スムージーが付く。年間利用額が5,000ドル(約75万円)を超えると自動的に「Premier」へ昇格し、優先レジと無料配送が追加される。

最上位「Reserve」の条件は年間1万5,000ドル(約220万円)以上の利用だ。Eaterの記者が1か月間体験したレポートによると、目玉はスムージーカウンターでの「あなたのドリンクを先に作ります」という優先権だった。毎日のコーヒーとペストリーが無料になり、買い物袋を車まで運ぶバトラー的サービスも含まれる。カフェ席の確保や専属コンシェルジュも利用でき、アプリの「コンシェルジュ・チェックイン」ボタンから来店時にワンタップで呼び出せるという。提携先にはルルレモンや五つ星ホテルの優待が並ぶ。

高級スーパーはどこへ向かうのか

エレウォンの新会員制度は、食料品店を単なる小売業から体験型のライフスタイル・サービスへと転換する戦略だ。

コストコやアマゾン・プライムが「大量・低価格」で会員制モデルを成功させてきたのに対し、エレウォンは正反対の方向に舵を切った。少数の高額消費者に特化し、「買い物」を「体験」に変えることで、EC全盛時代の実店舗に新しい存在意義を見出そうとしている。

年間220万円をスーパーで使う顧客にとって、専属コンシェルジュは単なる利便性ではないだろう。高級ホテルやプライベートクラブと同じ「日常のなかの特別扱い」を、毎日の買い物に持ち込めることに価値がある。ラクダミルクと専属コンシェルジュが同居するスーパーは、食料品店の次の姿を実験しているともいえる。その実験に年間220万円を払う顧客がいる限り、エレウォンは拡大を続けるだろう。