2026/05/30
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GameStopがeBayに560億ドル買収提案、CEOは資金不足160億ドルの説明を回避

GameStopがeBayに560億ドル買収提案、CEOは資金不足160億ドルの説明を回避

「ウェブサイトに載っている」——埋まらない160億ドル

GameStopは5月4日、eBayに対して約560億ドル(約8兆4,000億円)の買収提案を行ったと発表した。提案の内訳は「半分キャッシュ、半分株式」だ。しかし、eBayの時価総額が約460億ドルであるのに対し、GameStopは約110億ドルにすぎない。

Fast Companyの報道によると、GameStopの手元資金90億ドルとTDセキュリティーズからの200億ドルの融資確約書を合算しても、提案額には約160億ドル届かない。翌日のCNBCインタビューで、キャスターのベッキー・クイックは「かなり単純な質問です。残りのお金はどこから来るのですか」と問いただした。

ライアン・コーエンCEOの回答は「質問の意味がわからない」だった。「株式を発行して取引をまとめる能力はある。詳細はウェブサイトに載っている」と繰り返すのみで、具体的な資金調達計画には触れなかった。メディア各社はこのインタビューを「奇妙」「回避的」「めまいがする」と評している。

「eBayでeBayの代金を稼ぐ」

インタビューの翌日、コーエンはXに「eBayでモノを売ってeBayの代金にする」と投稿した。実際に彼のeBayアカウントには野球カード、9,000ドル(約135万円)の初代iPhone、コレクターズアイテムが出品されており、各商品にはeBayへの買収提案書のサイン入りコピーが同封されているという。投稿直後にコーエンは「アカウントが停止された」と主張したが、アカウントと出品はすべて残っていた。

市場の反応は明確だった。CNBCインタビュー後、GameStop株は10%以上下落した。映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』でクリスチャン・ベイルが演じたことで知られる投資家マイケル・バーリも、保有するGameStop株をすべて売却したと明らかにしている。GameStopはすでにeBay株の5%を取得済みだが、eBay側は買収提案の受領を確認する声明を出しつつも、取締役会が「慎重かつ徹底的に」検討中だとしてコメントを控えた。

コーエンが語る「アマゾン対抗」の構想

コーエンはウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し、GameStopによるeBay買収が実現すれば「アマゾンの正当な競合になりうる」と語った。ただし、アマゾンの昨年の売上高は約7,170億ドル、GameStopは約36億ドルで、その差は約200倍だ。

それでもコーエンの主張には一定の論理がある。eBayは昨年、販売・マーケティングに24億ドルを費やした。コーエンは「削れる無駄が大量にある」と述べ、eBayの従業員1万1,500人についても「自宅からでも運営できる」と言い切った。

GameStopはかつて何度も破綻寸前まで追い込まれながら、コーエンの経営で黒字化を果たした企業だ。「コレクティブル(収集品)」市場への特化で再建を進めた実績は、eBayのマーケットプレイス事業と重なる部分もある。コーエンが「起業家精神を持ち込む」と語るeBayのeコマースフランチャイズは、世界第2位の規模を持つ。GameStopの再建で見せた手腕を、460億ドル企業で再現できるか。160億ドルの資金ギャップは残るが、コーエンはすでにeBay株5%という足場を築いている。