2026/05/25
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ソニーがXperia「AIカメラ」を釈明、デモ写真4パターンすべて不評

ソニーがXperia「AIカメラ」を釈明、デモ写真4パターンすべて不評

「提案」なのに出来が悪い

ソニーは5月14日、Xperia 1 XIII に搭載する AI カメラアシスタントのデモ写真を X に投稿した。ところが、サンドイッチの写真は色が抜けたように白っぽく、草原でのポートレートは露出オーバーで顔が飛んでいた。ネット上では即座に「これが AI の実力か」という失望の声が広がった。

批判を受けたソニーは2日後、The Verge の取材に対し機能の詳細を説明した。AI カメラアシスタントは撮影後に写真を加工するのではなく、被写体・照明・奥行きを分析して、露出・色味・背景ボケの異なる4パターンの設定を提案する機能だという。ユーザーはその中から選ぶことも、自分の設定をそのまま使うこともできる。

だが、釈明と同時に投稿された新しいサンプル写真も評判は芳しくなかった。4つの提案のうち、1つ目は彩度が高すぎ、2つ目は平坦で過剰に処理された印象を与え、3つ目は食べ物が合成されたように見え、4つ目はコントラストが強すぎた。「提案」であっても、その質が低ければ信頼は得られない。

「最適なアングル」という過大な約束

問題はデモ写真の出来だけではない。ソニーの公式プロダクト動画では、AI カメラアシスタントが「最もフォトジェニックなアングル」を提案すると謳っている。しかし動画の中で実際に示されたのは、ズームインの提案だけだった。構図やアングルの変更と、単なるズームでは意味がまったく異なる。

スマートフォンの AI カメラ機能は各社が競って搭載しているが、「AI が写真を良くする」という漠然とした期待と、実際にできることのギャップは依然として大きい。グーグルの Pixel シリーズが「消しゴムマジック」のような撮影後の後処理に注力しているのに対し、ソニーは撮影前の設定提案という異なるアプローチを選んだ。方向性としては写真愛好家向けの堅実な路線だが、デモの質がそれを裏切った形だ。

「選べる AI」という方向性は悪くない

皮肉なことに、ソニーの基本コンセプト自体は理にかなっている。AI が勝手に写真を「盛る」のではなく、複数の選択肢を見せてユーザーに委ねるという設計は、過剰な AI 加工への反発が強まるなかでは誠実なアプローチだろう。問題は、その選択肢の一つひとつが魅力的でなければ、コンセプトの良さは伝わらないということだ。

ソニーには α シリーズで培った画像処理技術の蓄積がある。今回のデモは製品版前のものである可能性もあり、発売までにチューニングが進む余地は残されている。「AI に任せる」のではなく「AI と一緒に撮る」という思想が、説得力のある写真で証明される日は、そう遠くないかもしれない。