2026/05/30
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米国務省、養育費未払い2,500ドル超でパスポート取り消しへ

米国務省、養育費未払い2,500ドル超でパスポート取り消しへ

30年間ほぼ眠っていた条文

米国務省は5月8日、養育費の未払い額が2,500ドル(約37万円)を超える米国民のパスポートを取り消す方針を公式サイトで発表した。根拠となるのは1996年制定の「個人責任・就労機会調整法(Personal Responsibility and Work Opportunity Reconciliation Act)」だ。同法は養育費債務者のパスポート制限を定めていたものの、これまでの運用は更新申請時のブロックにほぼ限られていた。

国務省はこの方針を「前例のない規模」での執行と位置づける。従来は更新手続きで未払いが判明した場合にのみ対応していたが、今後は能動的に対象者を洗い出す方式へ転換するという。AP通信が2月に報じていた計画が、正式に確認された形だ。

まず10万ドル超の約2,700人から

執行は段階的に進む見通しだ。AP通信の報道によれば、最初の対象は未払い額10万ドル(約1,500万円)を超える約2,700人になる。その後、基準額は2,500ドルまで引き下げられ、影響範囲は大幅に広がるとみられる。

もともと法律上の基準は5,000ドルだったが、後に2,500ドルへ引き下げられていた。パスポートを失った場合でも、養育費を全額支払い、保健福祉省(HHS)で記録をクリアすれば再取得は可能だ。国務省は「取り消しを防ぐため、今すぐ債務を清算するように」と呼びかけているが、具体的な期限は示していない。

渡航制限は支払いを促すか

この政策と並行する動きも見逃せない。ProPublicaが3月に報じたところでは、国土安全保障省がHHSの連邦データベース「Federal Parent Locator Service」へのアクセスを求めていた。米国内の子どもとその家族に関する詳細情報を含むこのデータベースが、より広範な執行の基盤になる可能性がある。

パスポートという国際移動の手段を債務回収のレバレッジに使う手法は、特に海外渡航が日常的なビジネスパーソンにとって強い圧力となるだろう。一方で、この取り消しは恒久的な措置ではない。債務を解消すれば再取得の道は開かれている。養育費の未払いに心当たりがある場合、関連機関への早めの確認が最も現実的な一手だ。