2026/06/09
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バンクーバーおすすめレストラン2026。在住ライターが選んだ38軒、移民4割の食都市

バンクーバーおすすめレストラン2026。在住ライターが選んだ38軒、移民4割の食都市

バンクーバーの住民の4割以上が海外生まれ。中国、インド、フィリピン系を中心とした移民コミュニティが、それぞれの料理伝統をBC州産の食材と組み合わせ、独自のウエストコースト料理を生み出した都市だ。

移民4割が育てた、世界屈指の食都市

バンクーバーの食文化の厚みは、移民都市という構造が生み出したものだ。中国、インド、フィリピン系を中心とした多様なコミュニティが、それぞれの料理伝統をBC州産の食材と組み合わせ、独自のウエストコースト料理として昇華させた。

ローワーメインランド(バンクーバー周辺の平野部)の上質な農産物と、バンクーバー島沖の冷たい清潔な海から届く魚介が、世界各地からやってきたシェフの手で再解釈される。英国から10年以上前に移住した受賞歴のあるフードライター、ニッキー・ベイリーが米国の著名フードメディアEaterの最新リストをまとめるにあたり、「バンクーバーに来たら空腹で来い。満足して帰れる」と書いているのは、単なる誇張ではない。

近年はBC州への「メープルリーフ・プライド(カナダ国産品を積極的に選ぶ消費運動)」が高まっている。トランプ政権の関税措置を受け、米国産ワインやスピリッツが棚から姿を消した結果、BC州のクラフト蒸留所で作られたウイスキーや、近隣のオカナガン渓谷・シミルカミーン渓谷のワインが一気に注目を集めている。

メインストリートとロブソン街、2つの顔

バンクーバーのグルメ地図は大きく2つの軸がある。メインストリートにはミシュランの星付き店が連なり、ロブソン街には餃子店、ラーメン屋、韓国式フライドチキン、創作ベーカリーが軒を並べる。

メインストリートは、精緻な料理技術と地元食材の組み合わせを探求するシェフたちが集まるエリアだ。世界的な美食ガイドが評価する店が複数あり、本格的なファインダイニングを求めるなら欠かせない場所になっている。

一方のロブソン街は、バンクーバーのアジア系コミュニティの層の厚さを実感できる場所だ。観光客も多いが、現地に住む人間が日常使いする店が混在しているのがこの街の特徴でもある。安価な一品から数百ドルのコース料理まで、価格帯の幅が広く、観光客にも在住者にも愛される懐の深さがある。

2026年6月の新定番4軒

Eaterの2026年6月更新版に新たに加わった4軒が注目される。食材主役の料理で知られるNero Tondo(ネロ・トンド)、海岸沿いのアイスクリームトラックRain or Shine(レイン・オア・シャイン)、東京スタイルのスナックバーNomo Nomo(ノモ・ノモ)、カフェとポップアップスペースを兼ねるLivia(リヴィア)だ。

各店が示す方向性は、それぞれ異なる。Nero Tondoは「ハイパーローカル(超地元食材主義)」を掲げた料理人主導の店で、食材の個性を前面に出すスタイルだという。Rain or Shineは海辺での気軽な一杯として人気のアイスクリームトラック形式で、観光客にも地元民にも馴染みやすい。Nomo Nomoは東京の居酒屋文化を取り込んだカクテルバー兼スナック店で、Liviaはカフェとイベントスペースを兼ねた複合形態をとる。

バンクーバーの飲食シーンは、この4軒が示すように、固定のジャンル分けを超えた複合業態が増えている。「食べる場所」と「過ごす場所」の境界は、少しずつ薄れつつある。

夏のバンクーバーで食べるべきもの

食目的でバンクーバーを訪れるなら、夏が最適だ。オカナガン産の桃、BCコホサーモン、スポットプラウンなど、旬の食材が市内各地のファーマーズマーケットとレストランメニューを一斉に彩る季節でもある。

スポットプラウン(BC州沖の野生エビ)は漁獲量が少なく、持続可能な漁法で採られる高級食材だ。バンクーバーでしか気軽に味わえない体験のひとつとして、現地の食通から支持されている。BCコホサーモンも地元漁師から直接仕入れる店が多く、新鮮さが際立つ。オカナガン産の桃は「食べるまで生きた気がしない」とベイリーが記事で書くほどで、カナダ国内でも絶品と評される特産品だ。

ウエストコーストの長い夕暮れを眺めながら、露天席でワインを片手に食事を楽しめる夏のバンクーバーは、食シーンが最も輝く季節だ。Eaterの2026年最新版を事前に確認してから訪れると、この食の多様性をより深く楽しめる。