2026/05/25
SPARKL

マイクロソフト、Windows 11のアプリ起動を最大40%速くするCPU制御を試験中

マイクロソフト、Windows 11のアプリ起動を最大40%速くするCPU制御を試験中

CPUを「瞬間ブースト」する仕組み

マイクロソフトがWindows 11のInsiderテスターに配布している「Low Latency Profile」は、ユーザーがメニューを開いたりアプリを起動したりする瞬間だけ、CPUのクロック周波数を短時間引き上げる機能だ。The Vergeの報道によると、スタートメニュー、右クリックメニュー、ファイルエクスプローラーなどの応答速度が大幅に向上するという。

Windows Centralのベンチマークテストでは、Outlookやペイントなどマイクロソフト製アプリの起動が最大40%、スタートメニューやコンテキストメニューは最大70%速くなった。原理自体は新しくない。macOSやLinuxはすでに同様のCPU動的スケーリングを採用し、ユーザーの操作に応じて処理能力を瞬時に割り振る。スマートフォンのプロセッサも同じ手法で動作している。

「ズルではないか」という批判

テスト結果が公開されると、一部のユーザーからは「CPUクロックを一時的に上げるのはベンチマーク詐欺のようなものではないか」という批判が上がった。マイクロソフトのスコット・ハンセルマン副社長(CoreAI・GitHub・Windows担当)はXへの投稿で反論し、「あなたのスマートフォンはすでにこれをやっている」「アップルがやれば賞賛するのに」と指摘した。

実際、CPU動的スケーリングはOS設計における標準的な最適化手法だ。常にフルパワーで動作させるよりも、必要な瞬間だけクロックを上げるほうが電力効率も良い。批判の背景には、Windowsのパフォーマンスに対する長年の不満が透けて見える。macOSユーザーが「サクサク動く」と感じる体験の一因がまさにこのCPUスケーリングであり、Windowsはその恩恵をようやく取り込もうとしているわけだ。

「重いWindows」からの脱却が進む

Low Latency Profileは、マイクロソフトがWindows 11全体で進めている体験改善の一環にすぎない。同社は最近、不評だったCopilotボタンの一部削除や、Windows Updateの通知頻度の見直しにも着手した。派手な新機能の追加ではなく、日常的な操作の快適さを底上げする方向に舵を切ったようだ。

CPUの瞬間ブーストから不要なボタンの削除まで、「重いWindows」の汚名返上は、地道な最適化の積み重ねから始まっているのかもしれない。