米マッチングアプリHily(ハイリー)が米国のZ世代・ミレニアル世代3,500人に聞いた調査で、ミレニアルの56%、Z世代の64%が「日常的にAIを使う人とは付き合いたくない」と回答した。
なぜAI依存は恋愛で嫌われるのか
相手の「素の自分」が見えなくなるからだ。AIで磨き上げた言葉や判断は、最適化されたフィルター越しの人格のように映り、本音や弱さが伝わってこない。
米マッチングアプリHilyの調査によれば、若い世代ほどこの傾向は強い。日常的にAIを使う相手を避けたいと答えた割合は、ミレニアル世代で56%、Z世代では64%にのぼった。便利な道具を使うだけで嫌われる、というのは一見すると極端に見える。
だが、Hilyのデートコーチ、ジュリー・グエンはこう説明する。「AIに依存している状態が萎える理由は、相手の本当の姿ではなく、フィルターをかけて最適化されたバージョンと向き合っている気がするからです」。相手の弱さや本音──人を好きになるうえで欠かせない部分──が見えないことへの不安が、嫌悪の正体らしい。
「自分で決めること」ほど、AIに任せると嫌われる
AIの使い道が個人的になるほど、嫌悪感は強まる。キャリア相談やお金の使い方をAIに委ねる行為を、Z世代の過半数が交際の「決定的なアウト」と見なしている。
数字も、その境界線をはっきり示す。恋愛のもめごとをAIに分析させることを「なし」と答えたZ世代は4人に3人、AIをセラピスト代わりに使う相手を避けたい人は69%にのぼった。性に関する悩みをAIに尋ねる行為も、Z世代の62%が交際の打ち切り理由に挙げた。
長く付き合った相手でも、引っかかりは消えないようだ。結婚の誓いの言葉をAIに手伝ってもらったパートナーとは結婚したくない、と答えたZ世代は65%に達した。ミレニアル世代の51%を大きく上回る。判断を委ねる対象が「心」に近づくほど、許容度は下がっていく。
「AIを使わない」が新しい魅力になる
AI依存が赤信号なら、使わないことは青信号になる。個人的な決断にAIを一切使わない相手を「極めて魅力的」と答えた人は、Z世代で60%、ミレニアル世代で54%にのぼった。
もちろん、AIがこれだけ生活に溶け込んだ時代に、この潔癖さがいつまで続くかはわからない。環境負荷や脳への影響をめぐる懸念が次々と報じられる一方で、態度は時間とともに和らぎ、AIに寛容なデート市場が訪れる可能性もある。Fast Companyの記事も、その揺り戻しの余地に触れている。
それでも、いまこの瞬間に限れば、答えはシンプルだ。最適化された完璧な言葉よりも、たどたどしくても自分の頭で選んだ一言のほうが、人の心を惹きつけるのかもしれない。





