2026/05/25
SPARKL

カンヌ2026、パルムドール候補22本中アメリカ映画は2本にとどまる

カンヌ2026、パルムドール候補22本中アメリカ映画は2本にとどまる

ハリウッド勢の後退と2つの注目作

コンペティション部門に名を連ねたアメリカ映画2本は、どちらも1980年代のニューヨークが舞台だ。ジェームズ・グレイ監督の犯罪ドラマ『Paper Tiger』は、クイーンズでアメリカン・ドリームを追う兄弟がロシアン・マフィアに巻き込まれていく物語で、スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、マイルズ・テラーが出演する。Fast Companyの報道によると、本作は当初の選出リストには含まれず、後から追加されたという。

もう1本はアイラ・サックス監督の『The Man I Love』で、ラミ・マレクが生命を脅かす病を抱える俳優の最後の役に挑む。豪華キャストを擁する2作だが、全22本のうちアメリカ映画がわずか2本という構図は、カンヌにおけるハリウッドの存在感の変化を映し出しているのかもしれない。

審査委員長パク・チャヌクとアジアの存在感

今年のパルムドールの行方を左右する審査委員長には、韓国のパク・チャヌク監督が就いた。審査員にはクロエ・ジャオ監督、デミ・ムーア、ステラン・スカルスガルドらが顔を揃える。

コンペティション部門で注目を浴びているのが、日本の濱口竜介監督だ。2021年の『ドライブ・マイ・カー』は日本映画として初めてアカデミー作品賞にノミネートされたが、今回は初のフランス語映画『All of a Sudden』で臨む。日本の映画作家がフランス語で撮るという越境は、カンヌならではの光景だろう。

次のオスカー候補はカンヌから生まれるか

カンヌはアカデミー賞への入口としても機能してきた。『パラサイト 半地下の家族』や『ANORA アノーラ』がカンヌでデビューし、その後オスカーを手にしたのは記憶に新しい。今年の映画祭からも次の受賞候補が現れる可能性は十分にある。

個人への栄誉にも目を向けたい。名誉パルムドールにはピーター・ジャクソン監督とバーブラ・ストライサンドが選ばれた。ジャクソンは『ロード・オブ・ザ・リング』三部作と『ホビット』三部作で知られ、ストライサンドは俳優・監督・プロデューサーとして幅広い活動を続けてきた。フレンチ・リヴィエラに集った2,541本の才能の中から、パク・チャヌクがどの物語を世界に差し出すかは、5月23日に明らかになる。