2026/05/25
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「ハングオーバー」俳優ガリフィアナキス、園芸歴25年をNetflix全6話に凝縮

「ハングオーバー」俳優ガリフィアナキス、園芸歴25年をNetflix全6話に凝縮

コメディアンの「本気」が詰まった16分

ザック・ガリフィアナキスといえば、映画「ハングオーバー」シリーズの奇人アランや、ゲストを意図的に不快にさせるオンラインインタビュー番組「Between Two Ferns」で知られる。そのガリフィアナキスがNetflixで配信を始めた「This Is a Gardening Show」は、タイトルの通り、正真正銘の園芸番組だ。

全6話、1話わずか15〜16分。テーマはリンゴ、トマト、山菜採り、根菜、トウモロコシ、堆肥で、各エピソードでガリフィアナキスはリンゴの接ぎ木や堆肥づくりを学び、地元農家を訪ね、小学生たちにインタビューする。演出を手がけたのは、ジョン・ムラニーのNetflixライブ番組も監督したブルック・リンダーだ。タイムラプス撮影で植物の成長と腐敗を捉え、子どもとの脱線トークで笑いを、農家訪問では食の喜びを引き出す構成になっている。

笑いの矛先が「自分」に変わった

「Between Two Ferns」では、ゲストを追い込むことで笑いを生んでいた。だが「This Is a Gardening Show」では、笑いの対象はつねにガリフィアナキス自身だ。農家の前で失敗し、子どもたちの予測不能な回答に翻弄される。

攻撃的なユーモアは、自虐的な温かさへと変わった。ガリフィアナキスはカナダ・ブリティッシュコロンビア州に住み、すでに25年間、自ら土に触れてきた。この番組は芸風を変えたというより、もともと持っていた「農業人」としての顔を、ようやくカメラの前に出しただけかもしれない。

「未来は農業にある」は冗談ではない

毎回のエピソードでガリフィアナキスは「未来は農業にある(The future is agrarian)」と繰り返す。NPRの評者デイヴィッド・ビアンカリによれば、これはパンチラインとして発せられたものではない。

撮影地はカナダ・バンクーバー島で、登場する農家たちは全員が個性的で、全員が幸せそうに見えるという。ガリフィアナキスが農家の育てたエアルームトマトや自家栽培のニンジンをかじるたびに「人生で一番おいしい」と語り、それが演技には見えないとビアンカリは指摘する。

都市に住む多くの視聴者にとって、「食べ物がどこから来るか」は日常的に意識しない問いだろう。1話16分という手軽さは、その問いをエンターテインメントの形で届ける絶妙な器かもしれない。

16分で届く「土の手触り」

大作ドキュメンタリーでもなければ、啓蒙番組でもない。ガリフィアナキスはひどいダジャレを言い、ノックノックジョークを飛ばし、子どもたちと脱線し、合間にリンゴの接ぎ木や堆肥の技術をさらりと見せる。説教臭さはまったくない。

この軽さが、逆に「自分も週末に土を触ってみようか」という気持ちを自然に誘う。シーズン2の制作はまだ発表されていないが、25年間土に触れてきたコメディアンの手つきには、「未来は農業にある」という宣言を笑い飛ばせない説得力がある。