2026/06/04
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グウィネス・パルトロー「ルッコラはチーズの代わり」発言がミーム化。AI不安と結びつく

グウィネス・パルトロー「ルッコラはチーズの代わり」発言がミーム化。AI不安と結びつく

グウィネス・パルトローが米NBC『Today』で「ルッコラはチーズの代わりになる」と発言。RedditやThreadsで拡散し、食品チェーンのアルディ、米運輸保安局(TSA)、ユナイテッド航空など少なくとも3つの企業・政府アカウントが便乗する異例のミームに発展した。

「ルッコラでチーズ代替」はなぜ炎上したのか

パルトローの発言があまりに突飛で、誰もが「それは違う」とツッコまずにいられなかったためだ。ミートボールに入れるチーズをルッコラに置き換えるという提案は、SNSの格好の標的になった。

パルトローは自身のライフスタイルブランド「Goop(グープ)」が手がけるデリバリーレストラン「Goop Kitchen(グープ・キッチン)」の宣伝のため、NBCの朝の情報番組『Today』に出演した。司会者との料理コーナーでミートボールのレシピを実演しながら、「変に聞こえるかもしれないけど、いい食感が出るし、おいしいの」と語っている。

米ビジネスメディアFast Companyの報道によると、Redditでは即座に「どの宇宙でもルッコラはチーズの代わりにはならない。正気じゃない」といった反応が殺到した。パルトローはこれまでも独特の香りのキャンドルや高額なインテリア雑貨で物議を醸してきた人物だ。「Goop的な」提案がネットの笑いの対象になるのは、もはや恒例行事に近い。今回のルッコラ発言も、その系譜にぴたりと収まる。

ルッコラがAI時代の「置き換え不安」と重なった理由

「チーズがルッコラに置き換えられる」という構図が、AIによる雇用の置き換え不安と共鳴したためだ。ミームは食の話題を飛び越え、2020年代の社会不安を映すフォーマットへと変質した。

発言から1週間後、Threadsでこんな投稿が拡散された。「AIに置き換えられることばかり心配していたのに、ルッコラが来るとは思わなかった」。別のユーザーは「正直、AIよりルッコラに置き換えられるほうがまだいい」と返している。

「○○をルッコラに置き換えてみたら」という構文は、あらゆる文脈に転用された。職場の不満、ジェンダー、社会制度。何かを「別の何か」に代替するという行為そのものが、不安と笑いの両方を呼ぶ時代の空気を捉えている。本来は馬鹿げた食の提案だったはずのルッコラが、「いつ自分が置き換えられるかわからない」という漠然とした恐れの受け皿になった。

TSAもユナイテッドも便乗、企業がルッコラで遊び始めた

ミームが主流化すると、企業の公式アカウントが次々と便乗し始めた。食品業界にとどまらず、航空会社や政府機関まで参戦する異例の広がりを見せている。

ドイツ系ディスカウント食品チェーンのアルディは、Threadsで「ルッコラはチーズの味はしません」ときっぱり否定する立場を取った。一方、米運輸保安局(TSA)は「現時点では、ルッコラをREAL ID(連邦政府が定める本人確認書類)の代わりとしてお受けすることはできません(すみません)」と投稿。ユナイテッド航空も「ルッコラは搭乗券の代わりにはなりません」と続いた。

本来なら無関係なはずの航空会社や政府機関がルッコラに言及する光景は、SNS時代のブランドコミュニケーションの一断面でもある。真面目な公式アカウントがミームに乗ること自体が、親しみやすさの演出として機能する時代になった。ルッコラがチーズの代わりになるかどうかは、おそらく永遠に決着がつかない。だが一枚の葉野菜が世界中の不安を笑いに変えたという事実は、SNSの集合知が持つ不思議な浄化力を物語っているのかもしれない。